慶應義塾高校が、甲子園で優勝しました。
「慶応のえげつない応援」
ばかりがクローズアップされる決勝戦になり、
ちょっとはしゃぎすぎたと、反省する慶応OBもたくさんいますが、
しかし、選手たちは、
仙台育英も、
慶応も、
本当によくがんばったと思うのです。
応援だけでは、甲子園で優勝するだなんて、ありえない。
推薦枠が極小(学力および秀でるものがないと推薦枠に入れない)の慶応が、
並みいる強豪校になぜ勝てたのか。
その理由は、いろいろありますが、5点、考察できます。
1と2は、他メディアでもいろいろと考察されていますので、
今回は、#3,#4,#5について考察させてください。
慶応高校野球部の部訓は秀逸です。
ご紹介します。
【慶應義塾高等学校野球部 部訓】
・日本一になろう。日本一になりたいと思わないものはなれない
・Enjoy Baseball(スポーツは明るいもの、楽しいもの)
・礼儀正しくあれ。
どんな人に対しても、どんな場にあっても、通用するのは人間性。
一人一人の人間性が慶応義塾の評価を決める。
挨拶は人との最初の勝負。
このような素敵な文言が計20つあり、最後は、
・雨と風と延長とナイトゲーム、そして決勝戦には勝つ
・エンドレス(いつまででもやってやろうじゃないか)
で締めくくられています。
さらに、野球部の目的として、こうありました。
・ 野球というスポーツを通して、将来の社会の先導者としての資質を身につける。
・ 日本一を目標とし、古い体質の日本の高校野球に新風を吹き込む。
なんだか、この通りのことを選手たちはやってくれたな、
そう思うのです。
とはいえ、こういったものは、あるだけでは意味がありません。
選手一人ひとりの肚に落とし、行動変容につなげるためには、
話し合う仕組みが必要です。
慶応の優勝の裏には、
2年前に導入した月刊誌『致知』を使った勉強会
「学内木鶏会(もっけいかい)」の存在があったという、
慶応高校野球部監督・森林貴彦監督へのインタビュー記事を抜粋します。
例えば、『致知』にご登場される一流の方々の生き方に触れ、
お互いの感想文発表を聞く中で、
「今度から積極的にやろうと思いました」
「率先して難しい役を引き受けてやってみようと思いました」
というように、物事を自分自身のあり方に関連づけて
考えられるようになってきたことを、特にこの2年目に強く実感しています。
それが目に見えない力となって、メンバー同士、
チーム全体に様々なよい影響を与えているように思います。
また、試合に出ていないメンバーでも、
「チームにどうやって貢献したらいいだろうか」
「具体的な何か行動として自分を変えていこう」
「こういうふうに僕は心がけてます」
という感想や発言が増えていて、とても頼もしく思っています。
(中略)
レベルが上がってくればくるほど、技量や体力の差は、本当に紙一重です。
逆に言えば、その紙一重を制するかどうかは、技術以外のところ、
人間力の部分にあるということです。
「最後は人間力が大事だよね」と信じて取り組んできたことが、
今回の神奈川県大会優勝によって間違っていなかったと証明された。
これから甲子園でも厳しい戦いがあるでしょうが、
これまでの学びを堂堂と発揮すればいいんだ、
そう確信と自信を持って試合に臨んでいきたいと思います。
なるほど。人間力ですよ。
末学=野球技術
だけを磨くのではなく、
本学=人間性を磨くこと。
そのために、人間学の本を高校生が定期的に読み、対話している。
これはすごいことだと思うのです。
決勝戦では、なぜあんなに凄まじい応援になったのか。
慶応OBの心情をふまえ、考察します。
・(慶応OBも、言わないまでも、心の中では)戦力は仙台育英の方が上だと感じている
・とはいえ、応援の力を加味すれば五分五分になり、勝てるかもしれないと思っている
・後輩たちが甲子園で優勝する姿を見たい
・100年ぶりという歴史的快挙をこの目で見たい
・次はもう100年ない、生きている間にもう見ることはないかもと、薄々ながら思っている
・発売後すぐに売り切れたプラチナチケットをなんとか入手できた
・わざわざ会社休んで遠くから応援に来たので勝ってほしい
・コロナ明けでマスク外して大声を出せるのはひさしぶり(3年ぶり)
・久々に会った友達も多く、気分が高揚している
・せっかく来たんだから、若き血や塾歌をみんなで歌いたい
・甲子園が初めての人も多く、野球観戦のマナーをあまりよくわかっていない
(相手の攻撃時の応援はご法度など、知らない)
おそらく、こんな感じです。
ですから、上記一番最後の1項を徹底すれば、次はもう大丈夫だと思うんです。
そもそも、慶応の応援団は、
相手チームの守備タイム中(マウンドに内野陣が集まって話し合っている最中)には、
応援の音量を極小にするという、紳士さをもっているので。
次はもう同じことはしない、そう思うのです。
次は、100年後になってしまうかもしれませんが。笑
以上、
がシナジーを起こし、甲子園で大活躍した慶應義塾。
来年は、さらに紳士的な応援もできる、さわやかなチームとして甲子園に帰ってきてくれればと、
おじさんたちは切に願っています。
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