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障がい者支援施設 明星学園/第二明星学園 (長野県)

2021.06.17 お客様の声

人間力向上が、定着率向上と、応募増加につながりました

研修で、御社のスタッフの人間力を高めませんか、と提案しても、「人間力、研修で本当に高まるんですか?」「人間力研修でうちの職場の問題が解決するんですか?」と言われることがあります。それはそうです。人間力を高めるとは、まさに第2領域。緊急性のない仕事です。が、人間力を高めることは、組織の永続性や、収益性、生産性に関わる、大事なことです。人間関係がよくなり働きやすくなれば、離職率も、就職希望者数も、変わります。

長野県に「明星の奇跡」と呼ばれるほど高い専門性を発揮する知的障がい者支援施設があります。利用者(障碍者)がいい方向に変わり、家族は喜ぶと、国内屈指の成果を残していますが、スタッフにとってはいいことばかりではないようです。なぜか。高い専門性を発揮するためには、膨大な準備・検討時間が必要なため、長時間勤務が必要だからです。 この施設で1年間、人間力研修を行いました。あるリーダーの感想を紹介します。

(第1講)
今回入江さんからの提案で、「長く勤められる職場づくり」として10回の研修をしようとの提案があった。それについて「人材育成委員会」で検討した。 現在当園は深刻な人材不足の現状にある。背景には昨今の「待機児童ゼロ」に向けた取り組みの中で保育士争奪戦があり、以前は短大の幼児教育科からの学生を定期的に受け入れていたのに、それが叶わなかったり、景気が良くなり、他業種からの転職組もなかったりする現実もあるが、ご指摘の通り、離職率の高さがそれに拍車をかけている。
この仕事の困難さはご想像されている通りだが、当園のミッションは他の施設では受け入れることができないような「強度行動障害」といわれる人たちの「最後の砦」といわれるような実践がいくつも行われていて、それは私たちの誇りでもあり、背負っている十字架のようなものでもある。(何の因果でこんな大変な仕事をしているのだろう?と)
「明星の奇跡」を実践している人は、特別なスペシャリストの集団ではなく、学生時代は落ちこぼれのヤンキーだったり、普通のおじさんだったりするのです。その寄せ集めの集団に「とにかく同じ方向を見て支援をしよう!」と支援の質を担保しているのが、「研修」ということになる。これには職員からいつも苦情をいわれる。
「なぜ休みの日まで研修に出なくてはいけないのか?」「毎月宿題ばかり!」と。
こう説明している。「コンビニに働くときだってマニュアルがあるよね。当園は重度の障がいがある人を支援する施設なんです。そのために高いお給料も払っています。支援するマニュアル=研修なんです。研修を受けることがこの職場で働くための基本条件です」
当園をリタイアする人の多くはこの研修の負担も感じているのだろう。もしかしたら今回の「人間力研修」も、これから最終的なプレゼンなど視野に入れれば、相当な負担になっていくのかもしれない。みな研修疲れしている現実がある。当園は個別支援計画などもとてもきめ細かにやっているので、作成しなくてはならない書類が大量にあり、加えて昨今始まった相談支援で、主要スタッフはほとんどが「相談支援専門員」を兼任しており、毎月相当な資料の作成を余儀なくされている。
当園の離職率を上げている原因を、さらにひとつ挙げるなら、エネルギーの高さがもたらす組織としての強迫性。
これは、学園全体としては温度差があるのですが、能力の高いスタッフのいる組織の逆の弱みで、仕事の面白さに逆にハマってしまって、強迫的に頑張りすぎてバーンアウトしてしまうという残念な現象もあります。
様々な意見がある中で「現状を変えて良い職場を作りたい!」という気持ちは誰にも共通であることから、「まずは研修に参加した人が自ら変わることで、少しずつ周囲を変えていこう!」と研修を受ける方向へ運営会議では決定した。私も人材育成委員会のトップとして決めた以上、責任と義務を感じる。
またこれは講師の入江さんに対しても、相当なプレッシャーになるなと感じた。率直にいえば、外部の人間からいろいろ言われても変えてはいけない守るべきものがあるし、それが支援の質に関わるものだから、職員の働きやすさにばかり注目するわけにはいかない。今バーンアウト寸前でこの研修に過大に期待している職員を納得させられるような研修ができるか? これは相当な難しい仕事、困難なミッションである。
しかし山は高いほうが頂上に達した時の喜びが大きいように、仕事が困難なほど達成感はあるはずです。これから1年間、共に戦っていきましょう!

(第2講)
研修後、当園の有志で、課題を話し合う会議をもった。現時点で、人手不足をどうするか? 今、助勤をしながら勤務を回しているクラスをどうすべきか? 話し合った。
この研修を通じて、確実にみんなの意識が変わっているのを感じる。それを一過性にしないで、業務効率化につなげていく。

(第6講)
基本行動について、挨拶、返事、後始末、「履物を揃えよう!」など声をかけても、今どきの職員は前時代的だと感じてしまう気もするが、確かに教員をしていたときには、荒れた学校を立て直すのに、靴を揃えることがとても有効だったことがある。
当園でも基本行動をしっかり実践することは大切だと思う。以前からトイレ掃除ができる職員は支援もできると評価されていた。最近はハウスキーピングの職員にお願いすることが増え、トイレ掃除の業務に入ることが少なくなってきているが、「心は取り出して磨けないが、人が嫌がるトイレ掃除をすれば、心を磨くことができる」という理論に共感する。
長時間労働という点は、主任や主任補佐の仕事が多すぎるので、業務の棚卸しをしてみると良いかもしれない。時間内で終わるためには勤務時間内にそれらの仕事をする時間があればいいのだが、勤務時間はメンバーの支援だけで終わってしまう。主任の仕事も、下に割り振ることができると良いのだが、やたらに割り振ることも難しいので、考慮しながら下に任せていきたい。
「長く働き続ける職場」にするために、人間関係の良い職場を作っていきたい。大変な勤務を共にし、一日終わった時に「ありがとう。一日おかげで助かりました」と感謝していきたい。今の当園には職員一人ひとりが貴重な存在だから、一人ひとりの存在を大切にできるような、そんな職場にしたいと思う。

(第9講)
今回は当園の行動基準について考えた。これで理念・憲章・行動基準がすべて決まった。
行動基準を浸透させるために、どんな行動ができるのかを相談した。私は人材育成委員会の立場から、来年度の新人研修にそれを組み込んでいく。

(第10講・最終回)
最後の研修では各クラスでプレゼンテーションをした。3月の忙しい中で動画を作るなんて無理だと思ったし、クラスの職員からも批判的なことを言われた。それでも簡略的なものを作るつもりで、シナリオだけ提示すると、クラスの若手職員が夜勤の後で残って作ってくれた! 他のクラスも同じような状況だったと思うが、それぞれよく頑張って作っていて、感動した!
今後は目標進捗表にあったように、理念の浸透のために「人材育成委員会」を使って、新人研修に取り入れていきたいと思う。4月は新人研修のための研修計画を作成し、その中で理念の浸透を図っていきたい。
1年間、当園としても個人的にも、様々な困難があったが、乗り越えてきて、あらためて当園の原点を見つめ直すことができて良かったと思う。「長く勤めることができる職場を作る」ことを目標に1年間実践してきた。その成果もあってたくさんの新人職員を迎えることができた。その職員にも「長く勤めてもらうために」大切に育成していきたいと思う。

このように、高い専門性を有しているが、長時間勤務でバーンアウトしかけている職員集団に対し、挨拶や掃除など、人として当たり前のことを実践することで人間関係をよりよくしよう、効率性を高めよう、生産性を高めよう、と研修で提案。これに職員が見事に応えてくれて、各種委員会を設け話し合いを実施。効率性を高めるために何をすればいいか、PDCA(計画~実行~評価~改善)を何度も回し、徐々に徐々に長時間勤務実態を見直していきました。
今では「明星の奇跡」という高い専門性をさらに磨きつつ、人間性・人間関係のいい職員集団を築き上げ、離職率低下、応募率向上を実現しています。

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