●業績絶好調!の光と影
先日、研修で、星野リゾートのことをとりあげました。
星野リゾート。
観光業。
コロナが明けて、業績絶好調で、いいよね。
うらやましいよね。
と見る向きもあるのですが、観光業は、この3年間、
どれだけ苦境に見舞われていたのでしょうか。
星野リゾートは、コロナ直後の2020年4~5月期は、
売上9割減、といいます。
9割減です。
売上が1割になった、ということです。
10分の1です。
これで、やっていけるのでしょうか。
もちろん、やっていけません。
当時の星野リゾートの倒産確率を計算すると、
38.5%にもなる。
これはまずい。
雇用は聖域だが、聖域に手を付けざるを得ない。
雇用調整(要は、解雇等です)せざるを得ない。
と普通なら考えるのでしょうが、星野リゾートは違いました。
「雇用は100%守るので、やれることはすべてやろう!」
と星野佳路社長は宣言。
本当に、すべてのことをやっていきます。
特に、すごい!と思ったことを、3点、ご紹介します。
1. 先見の明
明けない夜はない。
コロナだって、明けないことはない。
ずっと続くということはない。
わかってはいるのですが、当時は、不安でしかなかったですよね。
苦しかったですよね。
苦しければ、
赤字を毎月〇億円も垂れ流しているのであれば、
スタッフたちがやることなくて暇しているのであれば、
雇用調整(解雇等)せざるを得ない。
普通の経営者ならこうなるところを、
「雇用は100%守るので、やれることはすべてやろう!」
と宣言。
そして倒産確率を社員に明示し、
このままでは大変なことになるから、
全社一丸になって、やれることをすべてやろう、
みんなの知恵を結集しようと言って、社員の本気を引き出す。
すごい!と思うのです。
2. 現場での話し合い
「お客さまはどうしたら喜ぶのか」
「お客さまは何を望んでいるのか」
「お客さまは何に困っているのか」
これを一番わかっているのは、誰でしょうか。
もちろん、現場のスタッフのみなさんですよね。
だから、現場のスタッフ同士て話し合う、という機会を、
徹底的に多く設けています。
トップダウンでは、いいサービスは生まれない。
トップダウンでは、現場は、
「そんなことしたって意味ないのに」と思いながらも、
上から言われたことだから、こなすはこなす。
でも、意味ないからと思っているから、心がこもらない。
やらされ感でやる。
これで、お客さまが喜んでくれるわけがありません。
感動するわけがありません。
話し合いで、現場の、現場力を引き出す。
このことを徹底しています。
3. 徹底したおもてなし
お客さまの名前を呼ぶ。
あいさつに一声そえる。
→例えば、
「おはようございます。天気が良くて気持ちいいですね。」
「ありがとうございました。
今日は外で工事してますから、気をつけてくださいね」
「お母さんの調子は良くなりましたか?」
こんなこと言われたら、嬉しいですよね。
これをやる。
お客さまに名前で呼んでもらう。
お出迎えと、お見送りに、命をかける。
→始めが肝心、終わり良ければ総て良し、であり、
最初と最後がいちばん印象に残るので、
ここに命をかける。
笑顔で心地よくあいさつする。声掛けする。
お客さまが見えなくなるまで手を振り続ける。
といったことを、徹底しています。
徹底的に、お客さまと仲良くなっています。
ここまでの接客をしてくれるお店って、なかなかないんですよね。
それをやる。
すごいな、
素敵だな、
行きたくなるな、と思うのです。
・・・
こうした取り組みをしているから、
おそろしいほどの需要急減、
びっくりするほどの需要急増、
にも対応できるのですよね。
すごい!と思いました。
私たちも、ひとつでも参考にして、取り組まねば!ですね。
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■ 編集後記
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星野リゾートの、社員の本気を引き出す人的資本経営、
すごい!と思うのです。
そこで、
人的資本経営の好事例についてお話する機会を設けました。
開催間近!となりましたので、ぜひご確認くださいませ。
無料ご招待!です。
みなさまにお会いできれば、とても嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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