ディズニーは、コロナ明け早々の2023年度に、
過去最高業績!となっています。
なぜこうなったのか。
その背景には、経営の強い決断がありました。
それは、
「ゲストの体験価値の向上」
に徹底的にフォーカスすることであり、具体的には、
1) 客数を減らす
2) 客単価を増やす
3) パークの魅力向上
の3点を行うことでした。
それでは、この3点を具体的にどう行った(行っている)
のかについて、本号ではお伝えします。
▼前号のバックナンバーはこちら
https://iriekando.com/blog/2023/11/854/
1) 客数を減らす
と言葉では簡単に言えるのですが、
実際にやろうと思うと、なかなか厳しい決断ではないでしょうか。
うちではそう簡単にできないんだよ、そんな声もよく聞きます。
これを、決断しました。
なぜなら、
「ゲストの体験価値の向上」
のために。
入園者数が多いと、どうしても待ち時間が増え、満足度が減る。
待ち時間があっても楽しめる工夫はいろいろしてきたが、
それでも年間入園者数が3000万人を超え、
待ち時間120分以上!というアトラクションが続出ともなると、
ゲストはどうしてもしんどい思いをする。
ならば、入園者数を減らそう、
減らして満足度を上げよう、という戦略です。
とはいえ、これだけではジリ貧ですから、あわせて、
2) 客単価を増やす
決断をしました。
具体的には、
「ダイナミックプライシングの導入」
1デーパスポート:7900~10900円まで500円ごとに設定
「プレミアアクセス(ファストパス)の有料化」
無料のものから、2500円まで、幅広く提供
といったものです。
これを見て思うのは、
単純に、一律で値上げや有料化をするのではなく、
ゲストに幅広い選択肢を準備した、ということです。
お金を使える人はお金を使って、待ち時間を減らして満足度を高めてもらう、
お金を使えない人は無料のパスもあるので、それを使ってもらうようにする、
このように、幅広い選択肢を準備することにより、
より多くのゲストの満足度を高めよう、という戦略です。
結果、この戦略はゲストに受け入れられ、
客単価は、
2018年度:11,815円
から、
2023年度:16,623円
に上昇。
約1.5倍です。
単価が1.5倍に増えても、
それ以上の価値を提供していれば、
感動を生み出すことができる。
感動が生まれれば、
リピーター、
クチコミが生まれる。
こうして、
客単価向上 ⇒ 客数減少 ⇒ 顧客満足度向上
を実現しています。
3) パークの魅力向上
さらに実践しているのは、
「パークの魅力向上」です。
たゆまぬ投資、
改善を、
繰り返しています。
具体的には、
ディズニーシー大規模開発プロジェクト「ファンタジースプリングス」
が2024年6月開設予定であり、
ここに3200億円の投資。
他にも、
既存アトラクションのリニューアルによる変化感の創出、
働きやすい労働環境を整備し、キャストの働きがいを最大化することによるサービスの質の向上、
を日々行っています。
以上、ディズニーが行っている戦略をまとめると、こうなります。
★サービス品質向上 ⇒ 客単価向上 ⇒客数減少 ⇒ 顧客満足度向上 ⇒ リピーター・クチコミ創出
単純かつ、
当たり前の話かもしれませんが、
まとめると、こうなるわけです。
これを、コロナという禍で、大打撃を受けながら、
考えに考え、
実行に移し、
コロナ明け早々に、もう過去最高業績を叩き出している。
「災い転じて福となす」
「転禍為福」
その好例です。
いかがでしょうか。
上記★の図式は、とてもシンプルなので、
みなさまの会社でも応用できるのではないでしょうか。
ぜひ、応用してみてくださいね。
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